フライフィッシング用語辞典

Fly Fishing Dictionary

最後のページ、あとがきに代えて

   

人はなぜ、川に魅了されるのだろうか・・・

川は、ときに恐ろしい形相となって人に襲いかかるというのに。

 

おだやかな表情を見せている川の岸辺に立つと、

なんとも言えない安心感と懐かしさが湧き起こってくる。

飲み水の近くに居るという個体維持本能の成せるわざか、

子供のころに川でよく遊んだからだろうか、

母の体内で羊水に包まれていた原体験と関係あるのだろうか、

それとも

生命は水中で生まれたという原始の記憶が伝えられているのだろうか。

 

キラキラと陽の光を反射しながら川は流れ、

その中に立って竿を振れば、

ラインはするすると軽やかにのびて、

フライはふわりと水面に落ちる・・・

これ以上の幸せなんて、

あるのだろうか・・・

 

川の朝は薄もやとともにはじまり、

日中には生命の輝きに満ち満ちて、

夜の川ではさまざまな営みがひそかに行われていることを、

釣り人は知っている。

川は眠ることはない。



 
夜の川