フライフィッシャーの昆虫学


THE FLY-FISHER'S ENTOMOLOGY


「フライフィッシャーの昆虫学」について:


 本書はイギリスのアルフレッド・ロナルズというフライフィッシャーマンが1836年(今から175年前!)に書いた本です。彼はブライス川の上に張り出した鱒の観察小屋をたて、鱒を観察し、水生昆虫を調べ、釣りで重要な昆虫を47種類選び、学名を書き、それぞれに対応するフライと共にカラーの挿絵付きで1冊の本にまとめました。カラー印刷の技術がなかった時代に手で彩色をほどこした貴重な本でした。
この本は大評判になり、その後出版は12版を数え、現在でも復刻版(英語)が出版されています。この本は釣り人の立場から書かれた世界で初めての昆虫学の本であり、内容のレベル、オリジナリティともに高く、後世への影響は計り知れないほどに大きく、フライフィッシングの歴史における記念碑的名著とされています。セオドア・ゴードン、プレストン・ジェニングズ、ヴィンセント・マリナーロ、アーノルド・ギングリッチ、ジョー・ブルックス、アーネスト・シュウィーバート、ジョン・ゴダードなどがこの本を絶賛しています。
 この本の優れた点をまとめると、以下のようになるでしょう。
1.フライフィッシングにおける重要な昆虫とそれに対応するイミテーションを初めて図解で、しかもカラーで示した。釣りの参考になるよう、虫の羽化時期や生態を記述した。
2.フライフィッシングにおける重要な昆虫の学名を初めて示した。その結果釣り人はフライのもとになった昆虫を正確に知ることができるようになった。
3.鱒の視野について初めて明確に図示して記述した。
4.川での鱒の付き場を初めて図で示した。
5.鱒の味覚や聴覚について実験を行って、釣り人に有益な情報をもたらした。
 この1~5のうち、ことに1と2はオリジナリティーが高く、出版後の100年間、この本に類似の本は書かれていません。つまり、「フライフィッシャーの昆虫学」ただ一冊が釣り人のための昆虫学の本であったので、釣り人に読み続けられました。3の評価もとても高いもので、鱒の視野については後年多くの記述がありますが、ロナルズが嚆矢です。また5も類例を見ないユニークな記述です。
この本では、鱒の付き場、釣り方やちょっとした工夫、釣り人の思いなどが書かれており、ロナルズと現在の釣り人との共通点がいかに多いかを認識させられます。”なんだ、今とたいして変わらないじゃないか、170年以上も経っているのにフライフィッシングの本質や釣り方はすでにこの本にすべて書かれているじゃないか”と思えるほどです。古い本ですが、内容の信頼性が高いので、現在の釣り人が読んでも参考になる記述が随所に見られます。
 翻訳書の出版までのこと
約2年前から翻訳作業を始め、多くの人の助けを得ながら上梓しました。また、この本の重要な部分は手描きで彩色された美しい図版です。この図版を釧路の藤プリントの水口吉朗さんが見事に復刻してくれました。これは、海外で出版されている英語版の図版をはるかに越える高品質のものになりました。ぜひ、本書を手に取り、図版をご覧ください。

「フライフィッシャーの昆虫学」について:

目次     

翻訳書の出版までのこと

 
霜田俊憲氏の推薦文(抜粋)
島崎憲司郎氏の推薦文(抜粋)
購入方法    
トップページへ