The
The Beanly, Francis

フライフィッシング用語辞典

Fly Fishing Dictionary


WaspFly,
Wasp Fly, Berners
   
 
ミッキー・フィン Mickey Finn:英語 《フライ》
 カナダのストリーマー。"Mickey Finn"は仕込み酒のこと。このフライ・パターンの由来については、ジョン・アルデン・ナイトJohn Alden Knightからジョゼフ(ジョー)・ベイツJoseph(Joe) Bates宛の手紙の中に詳しく書かれている。
 1932年、私(ジョン・アルデン・ナイト)は招かれてコネティカット州グリニッジGreenwichに釣りに行った。するとホストのヴァンダーホフVanderhoffは小さなバックテイル・ストリーマーを渡し、ブルックトラウトにはもっとも有効なフライだと言った。そのフライにはレッド・アンド・イエロー・バックテイルRed and Yellow Bucktailという名があったが、一般には知られていない無名のフライだった。その後、1936年にトロントに行ったとき、私はトロント・スター紙のグレゴリー・クラークGregory Clarkと一緒に釣りをした。そして私は午後だけで75匹のブルックトラウトをそのフライで釣った。帰りの車の中で私とクラークはこのフライに"Assassin、アサッシン(暗殺者、刺客)"と名前をつけたものだった。その後、クラークはエスクワイヤー誌に出た特集記事を読んでフライの名前をミッキー・フィンに変えたと言ってきた。その記事とは、カリスマ的な美男俳優だったルドルフ・ヴァレンティーノはニューヨークの給仕達からねたまれ、ヴァレンティーノにミッキー・フィンという仕込み酒を飲ませたという。そのことが結果的にヴァレンティーノを死に追いやったと書かれてあった。それを読んだクラークはフライをミッキー・フィン、すなわち仕込み酒、に変えたそうである。このフライは仕込み酒のように強烈に効き、飲むと死んでしまうよ、というシャレた命名。
 クラークはこの経緯を1937年の"Hunting and Fishing Magazine"に書いたところものすごい評判となり、ニューヨーク中のミッキー・フィン(フライ)は売り切れとなり、ウェーバー・フライ会社は全米から100万個のミッキー・フィンの注文を受けることになったという。
 蛇足ながら、"Mickey Finn"の語源について調べてみた。これはアイルランド系の人の名前らしく、ニューヨークまたはシカゴにあるバーの名前でもあったらしい。この男は自信過剰の嫌われ者であり、彼を痛めつけるために酒に下剤(クロトン・オイルcroton oil=ハズ油)を入れて飲ませたという。この話が広まって仕込み酒一般のことをミッキー・フィンと呼ぶようになったようだ。下剤を入れるのは強烈すぎるので、睡眠剤などを入れることが多いようで、眠らせて懐中を探ったり、女性を我がものにしたり、また、安眠のために自分で仕込むこともあるようである。
 長くなったが、ミッキー・フィンの一席、おあとがよろしいようで。
【タイイング・マテリアル】ジョン・アルデン・ナイトのオリジナル・パターン
ヘッド:ブラック
ボディ:ミディアム・フラット・シルバー・ティンセル
リビング:細いオーバル・シルバー・ティンセル
ウィング:3層あり、下から少量のイエロー・バックテイル、ごく少量のレッド・バックテイル、前2者を合わせたものと等量のイエロー・バックテイル。下の2層は同じサイズに短く、最上層は2倍の長さに。
【資料】Streamers & bucktails, 1979 (1950). Trout and salmon fly index, 1992 (1979). Fly patterns and their origins, 1944 (1943).
→バックテイル・ストリーマー
 
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ヨーロッパ・グレーリング、トラウン川にて
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