Detached
Detached Olive, Halford

フライフィッシング用語辞典

Fly Fishing Dictionary


Shell
Shell Fly, Berners
   
 
ハッチ hatch:英語
 本来の意味は、hatch=卵からの孵化(ふか)だが、フライフィッシングでは水生昆虫においてニンフ/ピューパからアダルト(カゲロウの場合はダン)になること、すなわち羽化をさす。
 誰がハッチを羽化という日本語に訳したか興味をそそられるが、邦訳者はフライフィッシャーマンに違いない、と思われる。また、ハッチということばがポピュラーになったきっかけはアーネスト・シュウィーバートの名著"Matching the Hatch"(1955)だったのではなかろうか。また、羽化をある幅を持った生命現象として捕らえたイマージェンスemergence、イマージャーemergerという表現はダグ・スウィッシャー/カール・リチャーズが使ったもの。
【資料】水生昆虫アルバム, 1997. Matching the hatch, 1955.
→ハッチ・パターン、ハッチ・チャート、マッチング・ザ・ハッチ、イマージャー
 
 
ハッチズ Hatches:英語 《本》
 アメリカのアル・カウチとボブ・ナスターシAl Caucci/Bob Nastasiの共著によるカゲロウとその釣りに関する本。書名の和訳:羽化。
 1975年、両名が設立したコンパラハッチ社Comparahatch Ltd.より発行され、副題は"A Complete Guide to Fishing the Hatches of North American Trout Streams、北米の鱒釣りの川におけるハッチの釣りに関する完全な手引き"。
 北米の21属100種以上のカゲロウを自分たちで採取して学名を確かめ、通称と照らし合わせ、写真を撮り、羽化様式を観察し、イミテーション・パターン、釣りの戦略、などを釣り人の立場から述べたもので、これまで類のないすぐれた本である。ことに、トライコリソーデスに関してはこの本によって初めて体系的にきちんと書かれたと言っていいだろう。「序」ではアート・フリックは高い評価を与え、私が分からなかったことを教えてくれてありがとう。まったくもって鱒たちには都合の悪い本が出たものだ、と述べている。本は発行されるやいなや爆発的に売れたそうである。
 1986年には新たなアメリカの東西におけるハッチの対照表、写真、などを加えて「Hatches II、ハッチズ II」をウインチェスター社から出した。初版でのカゲロウの学名にやや不統一があったので、世界的なカゲロウの権威であるジョージ・エドマンズDr. George Edmundsの協力を得て改訂したもの。
【資料】Comparahatch, 1973. Hatches、1975。Hatches II, 1986.
→アル・カウチ、ボブ・ナスターシ、トライコリソーデス属
 
 
ヒラタカゲロウ科 《昆虫》
 カゲロウ目Ephemeropteraで、学名はHeptageniidaeヘプタジェナイアディ。本邦の渓流の上流〜中流域にひろく生息するカゲロウで、ニンフの体型が平たいのが特徴。信州では「ヒラタ」と呼ばれていたので、ヒラタカゲロウと命名されたそうだ(今西錦司からそのように教わったとのこと。御勢久右衛門氏談)。ニンフはクリンガー・タイプclingers。俗称、ヒラタ、チョロ虫、チョロ、カメチョロ、ガンガン(ガンガン流れにいるので)。
 ヒラタカゲロウは体長6〜13ミリメートルで年1〜2回羽化する。この科には、ヒラタカゲロウ属Epeorusイピオーラス、タニガワカゲロウ属Ecdyonurusイクディオナラス、キハダヒラタカゲロウ属Heptageniaヘプタジーニア、ヒメヒラタカゲロウ属Rhithrogenaライスロジーナ、ミヤマタニガワカゲロウ属Cinygmaシニーグマ、オビカゲロウ属Bleptusブレプタスが属する。また、本邦には生息しないがアメリカにはステノニーマ属Stenonemaがあり、フライフィッシングで重要なカゲロウになっている。
【資料】日本産水生昆虫検索図説, 1998. 鱒たちのメニュー, 1996.
→各項
 
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アトランティック・サーモン、スペイ川にて
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